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自動運転

自動運転技術

JARIでは、自動運転制御技術や隊列走行制御技術の研究開発を行っています。
2008~2012年度までの5年間、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から受託した運輸部門の省エネルギー化を目的とした「エネルギーITS推進事業(自動運転・隊列走行技術の研究開発)」を実施し、JARIが産学公15機関の共同研究先の取りまとめ役となって、時速80km、車間距離4mでの、トラック4台の自動運転・隊列走行技術の開発に成功しました。
2013年2月には、その成果を公開するため「Energy ITS 自動運転隊列走行 Demo.2013 in つくば」を、独立行政法人産業技術総合研究所 つくば北サイトのテストコースにて行いました。

実験車両
実験車両

隊列走行実験風景
隊列走行実験風景



現在、エネルギーITS推進事業で開発した高速道路での自動運転・隊列走行技術を、一般道路を含めた自動運転あるいは次世代の高度運転支援システムとして実用化するため、特に下記の技術の高度化に取り組んでいます。

走行環境認識技術

 

エネルギーITSでは、カメラやレーダーを用い、走行車線の認識技術や道路上の障害物を認識して回避する技術を開発しましたが、まだ実現できていない走行環境認識技術として、積雪路など悪天候でも認識できる全天候型の車線認識技術や、レーンチェンジを行う際に後側方から接近する車両を認識する技術などがあります。
また、一般道路での自動運転を実現するためには、信号や道路標識の認識技術、歩行者や自転車の認識技術、さらには賢いドライバのごとく、過去の経験(データベース)と照らし合わせて道路上に潜む危険を察知する危険予知技術等が必要になります。

ドライバ状態認識技術

 

欧米でも自動運転の開発が進んでいますが、運転をシステムに完全に任せてしまう完全自動運転は、事故時の責任問題とも関わるため、まずはドライバが急に運転できなくなった状況や、居眠りをしてしまって事故を起こす危険性が高まったような状況、すなわちシステムに任せた方がリスクが低いという状況下で部分的に実用化すべきだと言う議論が一般的です。
ここで必要となる技術に、ドライバの状態認識技術があります。居眠り運転の検知技術などの技術開発は各種開発されていますが、さらに広くドライバーの負荷状況と健康状態を総合的に認識する技術の開発が必要です。

 

高信頼性技術

  

エネルギーITSで開発した自動運転・隊列走行システムは、実用化を念頭におき、高い安全性・信頼性を確保しています。具体的には、基本的なサブシステムを多重系にし、片系が故障したら別の系が補完する機能を持たせるとともに、ECU(電子制御装置)は万が一故障した場合でも、必ず安全な方向に処理するフェイルセーフ機構を備えています。
自動運転を目指して運転支援システムが高度化することに伴い、システムも複雑化することから、高信頼性技術はさらに高いレベルが要求されます。JARIは、自動車の電子機能安全規格(ISO26262)や、FTA(故障の木解析)、FMEA(故障モード影響解析)などの知見や手法を活かしてこれに取り組んでいきます。

フェールセーフECU
フェイルセーフECU

高度運転支援システム

エネルギーITSの縦方向(前後方向)の制御技術のみを切り出すことにより早期に実用化につなげるため、国内大型トラックメーカー4社の協力を得て、通信を用いた協調型の車間距離制御システム(Cooperative Adaptive Cruise Control)技術を開発しました。CACCはACCと比較して安全面、燃費改善面、交通流円滑化面で効果が大きく、実用化が期待されます。
また、横方向(左右方向)の制御技術のみを切り出すことにより、高速道路の保全車両などの運転支援を行うことが可能であるため、現在高速道路会社と共同でトンネル内の照明清掃車両に操舵支援装置を導入し高速化を図る研究開発を行っております。

トンネル内照明清掃車両の操舵支援装置開発
トンネル内照明清掃車両の操舵支援装置開発


  • 2013年11月8日、マスコミを対象に運転操作支援システム付きトンネル照明清掃車両のデモンストレーションを行いました。
  • 中日本高速道路(株)発表資料はこちら



新交通システム

BRT(Bus Rapid Transit)

BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)は、バス専用道路を用いた高速輸送システムの総称で、海外では都市部で大量の人員をBRTにより高速輸送している例が数多くあります。我が国では過疎地の鉄道廃線跡地を専用道路にして単車のマニュアル運転バスを走行させている例があります。
このバスに自動運転・隊列走行技術の横方向の操舵制御技術を導入することにより、単線で狭い鉄道跡地での安全運転・走行速度の高速化を図ることが可能になるほか、専用道路であることを活かして縦方向の隊列走行技術を導入することにより、朝夕の混雑時は後続車無人で電子連結の隊列走行を行い、郊外部では方面ごとに分離させて単車運転させる運用を図ることも可能になります。また、こうしたシステムは我が国だけでなく、海外での導入可能性もあるため、その面での検討も行っていきます。

BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)
BRT(Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム)の例

超小型モビリティを用いた新交通システム

 

一般道路での自動運転の実現は当分先の話になりますが、都市計画と一体となって限定されたエリアで安全を確保した空間を作れば、比較的早く実現できる可能性があります。
自動運転・隊列走行技術を超小型モビリティに導入することにより、専用道路での隊列走行(先頭車手動、後続車自動)や、限定エリアでの低速度での自動運転や自動駐車などが可能になります。

例えば、地方都市においては、公共交通手段の不足など、高齢者等の移動手段の確保が課題となっており、高齢社会を迎えるにあたって、ますますその傾向に拍車がかかることが予想されています。そこで、エネルギーITSの成果を利用し、超小型EVを用いた隊列走行や区域限定自動運転により、地方都市や過疎地域における高齢者や移動困難者の移動支援や見守り支援などを行なうことで、様々なシーンでの高齢者の社会参加維持のための基盤を構築するための提案を行っています。

 

活用の可能性があるシーンとしては、以下のような事例が考えられます。

  • EVの特性を生かした超小型コミュータによる高齢者の移動性確保
  • 地方都市における公共交通を代替する手段としてのEVや超小型車の活用
  • 低速走行EVの自動運転を活用した高齢者の移動をサポートすることによる社会参加支援
  • 過疎地や復興モデル都市における買い物弱者や通院弱者の解消

小型EV導入による高齢者の移動支援
超小型EV導入による高齢者の移動支援

超小型モビリティ
超小型モビリティ

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