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ITS動向調査・標準化

自動車の情報化

JARIでは、プローブ情報システムの開発、関連国際標準化を進めて来ました。近年のIT技術の発展を受けて、ビッグデータ、 車両インタフェース標準化、セキュリティ、プライバシに関する調査・研究・国際標準化に取り組んでいます。

プローブ情報システムの開発、関連国際標準化

JARIは大学・民間企業と共同で、2000年前後からプローブ情報システムの開発に取り組みました。2003年には最初の民間サービスが始まり、次のステップとして、センタレスプローブ情報システムの開発に2006年から取り組みました。これは、車1台1台がプローブ情報センタの役割を果たし、車車間・路車間通信を使って交換した情報を蓄積・分析して、交通情報等の有用な情報を作る仕組みです。2006年度のフィージビリティ研究、2007~2009年の次世代ロボット研究開発における高速移動知能、2010年700MHz帯近距離移動体通信を使ったセンタレスプローブの開発プロジェクトを通じて、システムの開発、有効性の検証を実施して参りました。

プローブ情報システムに関するJARIの取り組み
プローブ情報システムに関するJARIの取り組み

センターレスプローブサービスイメージ
センターレスプローブサービスイメージ

ビッグデータ

近年のIT・CE技術の発展には目覚しいものがあり、自動車の世界にも今後、大きな影響を与えるものと考えられます。特に、携帯電話、WiFi等の無線通信技術の高速化と携帯電話のデータ通信の固定料金化、並びに、スマートフォンの爆発的な普及は、自動車に持ち込むソフトウェアのハードルを一気に引き下げたと言えます。
従来のプローブ情報システムは、主に、自動車に対する情報提供を目的としており、主に位置・速度を収集し、渋滞等の交通情報を提供していました。データ量、通信コストの制約が小さくなり、自動車から様々な環境センサ情報が収集できるようになり、これをビッグデータとして、様々な用途に活用することが期待されています。

車両インタフェース標準化

データ収集に際して、自動車の情報の収集の為に、車両インタフェースの標準化(ゲートウェイの標準化)がISO TC204で2008年から進められています。2013年からは、その一部が、TC22との合同会議で審議されることになりました。
この一方、インターネットのWeb技術の標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)では、自動車向けのWeb技術の標準化を目指して、2013年にAutomotive and web platform consortiumというグループを設置し、最初の検討課題として、複数の団体で検討されている車両データAPIの標準化が取り上げられ、審議されています。
JARIはこうした活動に参加することで、自動車の安全性を担保しつつ、車両情報がどう活用できるか、という観点で情報収集を行い、皆様に展開させていただいております。

セキュリティ

データ収集に際して、自動車の安全性を担保するためには、セキュリティ技術の導入が必須となります。とりわけ、最近は、スマートフォンアプリの利用などを通じて、自動車がオープンなネットワークに繋がる状況が増えてきております。こうした状況では、従来はそれほど考慮する必要が無かったマルウェア(ウイルス等の不正ソフト)が自動車の安全を脅かす危険性が高まっていると言えます。こうしたことから、オープン化の観点に立った、自動車のセキュリティのあり方について、今後、検討を進めて行きます。

プライバシ保護の国際標準化

セキュリティと並んで、プライバシの保護も重要な課題です。JARIは、これまで、プローブ情報システムにおけるプライバシ保護の基本原則ISO 24100:2010の策定に慶應大学等と共に取り組んで来ました。現在でも、プローブ情報システムの構成要素毎のプライバシ保護の程度を”見える化”するための評価基準 ISO PWI 16461の策定作業に、慶應大学等と取り組んで居ります。
ビッグデータにおいては、情報が収集されてから、個々の目的に応じた分析が行われるため、プライバシ保護を何処で、誰が責任を持って実施するか、ということは、課題であり、今後検討を進めていく必要があります。
今後、自動車が外部世界と繋がることに伴う、様々な可能性の追求、課題の抽出と対応策の検討、これらに関連した事項に関する世界の情報の収集、国際標準化等に取り組んで参ります。

ITS産業動向に関する調査研究

ITS研究部では、ITSを支える技術や産業の動向を1998年度から継続して調査しています。独自の調査に加えて、ITS関係の省庁や団体、企業などの協力を得て行うアンケートやインタビュー結果を分析して課題を抽出し、今後の進むべき方向をとりまとめ、広く関係者に問うことを目的としています。最新の動向を取り上げると同時にITS全般を網羅している点や率直な提言などが評価され、各方面で活用されています。

ITS産業動向調査研究会活動
ITS産業動向調査研究会活動

調査内容

調査活動にあたっては、自動車の情報提供システム、安全運転支援システムなどのITSの基本要素となる分野については継続した調査を実施しています。また、環境改善に向けたEV普及の取り組みや、スマートフォンの普及など、『ITSの新しい芽』になりそうな分野についても調査を実施しています。

(1) ITS産業を取り巻く環境

ITS市場の発展動向を見ていく上で、世界の景気や自動車そのものの動向が大きな要因となってきます。そのため、国内の景気動向を踏まえた社会情勢について解説しています。

(2) ITSに関する施策

ITSが他の産業と大きく異なっているのは、官民での連携が重要であり、推進の大きなポイントに位置づけられていることです。そのため、日本の経済や科学技術振興施策の柱となる国家戦略や各省庁の施策について紹介しています。

(3) ドライバーなどへの情報提供に関するITS

カーナビやPNDの市場予測を行っています。併せて、テレマティクスサービスの最新動向や、スマートフォンの普及による自動車情報提供システムへの影響などについて紹介しています。

(4) ITSスポットサービスの新たな展開

2011年度までにほぼ全国の高速道路で整備が終了したITSスポットサービスの普及に向けた取り組みや今後の普及に向けた課題について紹介しています。

(5) 安全運転支援システム

安全運転支援システムの普及に向けての施策や、急速に普及が進む衝突被害軽減システムの市場予測を行っています。また、2012度までの5年間、JARI等がエネルギーITS推進事業にて開発した隊列走行・自動運転システムや、自動運転の海外動向も併せて紹介しています。

衝突被害軽減システムの市場予測
衝突被害軽減システムの市場予測

(6) EV・PHEV・HEVの動向と普及に向けたITSの活用

EV普及に向けた国や自治体の施策や海外のEVの普及・技術動向やIT・ITSを活用した充電インフラ整備の取り組みについて紹介しています。

(7) ビッグデータ活用に向けた取り組み

インターネットの登場以来、爆発的に増加するデータ、いわゆるビッグデータの概説や、その活用にむけての取り組みを紹介するとともに、自動車におけるビッグデータの活用方法として、プローブ情報や自動車の情報活用に向けて進められている標準化動向などについて紹介を行っています。


資料No. タイトル 発行
ITS14-01 ITS産業動向に関する調査研究報告書 -ITS産業の最前線と市場予測2015-
(頒布案内)
平成27年7月
ITS13-01 ITS産業動向に関する調査研究報告書 -ITS産業の最前線と市場予測2014-
(頒布案内)
平成26年7月
ITS12-01 ITS産業動向に関する調査研究報告書 -ITS産業の最前線と市場予測2013-
(アブスト)(頒布案内)
平成25年6月
ITS11-01 ITS産業動向に関する調査研究報告書 -ITS産業の最前線と市場予測2012-
(アブスト)
平成24年5月

ITSの研究開発/標準化に関する調査研究

ITS車載システムの標準化に関する調査研究

近年、車車間通信や路車間通信を利用することにより、ドライバや車載センサの限界を補う協調システムの開発・標準化がグローバルに活発化しており、欧米や日本が鎬を削っています。
欧米における自動車やITSに係る研究開発プロジェクト等の調査を通じて欧米の戦略を分析、性能や品質、コスト面で国際競争力の高い製品の開発を促進します。具体的には、協調システムにおいて通信される情報に関して、欧米の研究開発や標準化動向調査をもとに日本国内の標準化検討を実施しています。

次世代車載システムの機能
次世代車載システムの機能

また、産業や製品の国際競争力を高める上で、国際標準化は重要です。ITSに係る国際標準化活動はISO/TC204で行われており、安全運転支援などを目的とする協調システムの標準化が欧米主導で進んでいます。
JARIは、ISO/TC204/WG1(システム機能構成)分科会の事務局として国内外における標準化活動を支援し日本提案の規格案の審議促進を図っているほか、ISO/TC204/WG16(広域通信)分科会、ISO/TC204/WG17(ノマディックデバイス)分科会などにおける活動にも積極的に参加しています。

ITSに関する国際的な標準化の取り組み
ITSに関する国際的な標準化の取り組み

IT・CE技術のITSにおける利活用の研究

 

近年、インターネットに象徴される、高度に発展・普及したIT技術、CE(Consumer Electronics)技術を活用して、自動車をより安全、かつ便利で快適なものにしようとする動きがあります。その一方で、個人情報保護やセキュリティ確保がますます重要な課題となっています。
JARIでは、IT・CE技術の利活用に関する検討を進めると同時に、2002年度から取組んできたプローブ個人情報保護に関する知見を生かし、個人情報保護やセキュリティ確保に関する検討に逸早く着手。自動車業界の連携した取り組みの実現に向けた活動を行っています。

IT・CE技術のITSへの活用
IT・CE技術のITSへの活用

自動車の電子化に関する調査研究

自動車の電子化の進展にともなって、製造コストの上昇や開発工数不足、品質問題等が顕在化しつつある中、欧州では新興国市場をもにらんで車載ソフトウェアや車載ネットワーク等の標準化や開発プロセスの改善を進めています。
JARIでは自動車の電子化のさらなる進展に着目し、性能や信頼性、コスト、開発効率などの観点から技術動向を調査するとともに、欧米の産学連携の研究開発の戦略やプロジェクトの実態などを調査。今後日本の自動車産業が国際競争力を維持、向上させるための課題を探ります。

現在の車のE/Eシステム(車載ECU)搭載イメージ
E/Eシステム(車載ECU)搭載イメージ

クルマ社会のロードマップに関する調査研究

魅力あるITSサービスを効率よく開発し普及させるためには、クルマ社会のあるべき姿、そこに至る道程やマイルストーンを関係者が共有しながら取組むことが重要です。
JARIではITSの研究開発/標準化に関する調査結果や、自動車やITSを取り巻く市場環境や関連施策の動向調査の結果をもとにクルマ社会の将来を展望。技術課題や社会制度上の課題、その解決に向けたアクションプランを検討することで、来るべきクルマ社会の実現を提案・促進します。
また、ITS関連団体と協力して、国際競争力をもった協調システムの実現に向けたアクションプランを検討するなど、焦点を絞った活動も進めています。

協調システムのアクションプラン
協調システムのアクションプラン

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