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記事詳細:Detailed Article

JARI Research Journal (2012~)安全/Safety

資料名 / Title

JRJ20170902 研究速報
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ロボットによる轢過に起因した中足骨の骨折耐性の推定手法
Prediction Method of Metatarsal Fracture Tolerance in being Run Over by Robot

藤川 達夫,西本 哲也,浅野 陽一,神保 浩之
Tatsuo FUJIKAWA,Tetsuya NISHIMOTO,Yoichi ASANO,Hiroyuki JINBO

 家庭や介護施設等に生活支援ロボットを導入することで生活の質を向上させる試みが始まっている.これらのロボットは,従来の産業用ロボットと異なり,人と接して使用されるために,接触による傷害のリスクをより十分に考慮した設計が必要となっている.しかし,生活支援ロボットは発展段階にあり,今後多様な仕様の製品が開発される可能性があるため,リスクの形態も多様であり,現状では,具体的な安全基準の策定が困難である.このため,ロボット製造者が独自に実施するリスクアセスメントの重要性が高く,Personal Care Robots の安全規格ISO13482では,上位規格ISO12100 の方法に従ってリスクアセスメントを行うことを必須としている.この際に考慮すべき危険事象の事例が,ISO12100-1 の附属書Bに列挙されている.その中で,接触に関連した危険事象としては,轢過,押しつぶし,衝撃,突き刺し等がある.本研究では,これらのうち,ロボットが移動中に人の足部を轢過して骨折させるという危険事象に着目し,骨折のリスクを低減したロボットの設計に有用な情報を提供することを目指す.
 リスクアセスメントにおいては,轢過によるリスク(確率と危害のレベル)を算定して,これを十分に低減するための保護方策を検討し,ロボットの設計に反映する.このためには,足部骨折の発生を規定する物理量(骨折耐性)が必要となる.例えば,ロボットの軽量化により足部への荷重を軽減して骨折リスクを低減するには,骨折が発生する荷重を根拠として,どの程度軽量化するべきかの設計指針を立てなくてはならない.また,軽量化が十分に達成できない場合には,骨折の可能性を考慮したリスクの高さに応じて,ロボットが人を検知して回避する機能の信頼性を確保する(例えば機能の安全整合性水準SILをIEC 62061に適合させる)などの方策が必要となる.
 しかし,これまでの傷害研究では,頭部,頸部,胸部,腰部,大腿,脛部,膝関節,腕部についての傷害耐性が明らかとなっているものの,足部の傷害耐性は明らかになっていない.Yamadaは,足部の骨に関する材料特性データを整理しているが,骨格構造を有する足部の骨折耐性については整理していない.Kwonらは,死体の足部に保護靴を履かせた実験により,足部に重量物が落下した際の保護効果を検討しているが,骨折耐性については検討していない.また,Gutekunstらは,足部の骨の組成から強度を推定する方法を提案しているが,足部から取り出した中足骨の3点曲げ試験によるものであり,筋肉などの軟組織と関節とで支持された実際の骨とは支持条件が異なるため,実際の代表的なヒトの足の骨折耐性の導出には至っていない.そこで,本研究では,実際の足部に関する実験を行って骨折耐性を検討する.
 本研究の最終目標は,ロボットの轢過にともなうリスクを低減した設計を可能にするために,これまで不明であった代表的なヒトの足部の骨折耐性を明らかにすることである.しかし,ヒトの足部を供試体とした実験は,倫理上の制限があり,代表的なデータを得るに十分な回数を実施することは困難である.このために,ヒトの足に似た骨格を有する食肉(クマ)の足部に関する骨折実験を行い,その結果をヒトの足部の骨折耐性に換算する手法を検討する.換算においては,クマとヒトでは足部の骨の寸法が異なることが課題となる.また,ヒトの足部の寸法も多様であることから,寸法が異なる足部の骨折耐性を代表的な寸法の足部に換算する必要もある.そこで,本報では,足部の骨折耐性と寸法の関係を記述する寸法換算因子を仮定して,その妥当性を確認し,換算手法を提案する.

Human foot injury due to being run over by a robot is a hazardous event caused by robot motion and should be considered in risk assessments prior to designing robots. This study aims to provide information on the human foot injury tolerance for risk assessments. A method to predict the human metatarsal fracture tolerance by scaling the fracture forces of alternate specimens (bear metatarsals) to those of human metatarsals is proposed. A scaling parameter based on the assumption that a metatarsal is represented by an elastically supported beam is discussed. The validity of the method is examined by fracture tests and size measurements of bear metatarsals.

種別 / Article Type

JARI Research Journal (2012~)

資料名 / Title

JRJ20170902 研究速報

発行年月 / Date of Issue

2017/09

分野 / Field

安全/Safety
ID:7945
 

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