～日本の蓄電池関連産業の標準化等を加速～

　2024年7月26日、一般財団法人日本自動車研究所（以下、JARI）は、独立行政法人製品評価技術基盤機構（以下、NITE（ナイト）理事長 長谷川史彦氏）と、蓄電池産業強化に向けた包括的相互協力に関する協定を締結しました。

　本締結により、両機関の更なる密接な協力関係が構築されるだけでなく、日本の蓄電池産業強化に向けて相互の研究及び事業の発展が図られ、自家用のEVをはじめ、電動バス・電動トラック等の大型EVも含めた蓄電池の安全性評価やそれらに係る標準化が加速され、カーボンニュートラル社会の実現への貢献が期待されます。

　（左）NITE理事長　長谷川史彦氏（右）JARI　鎌田研究所長

　【図２】（左前）NITE伊藤本部長・古田理事・紺野理事・長谷川理事長／JARI鎌田研究所長・土屋理事・𠮷川理事 （左後）NITE五十崎センター長・山本次長／JARI一色専務理事・味村理事・黒田研究主幹

JARI　耐爆火災試験設備

NITE　先端技術評価実験棟

　脱炭素社会の実現に向けて、全固体電池をはじめとする次世代蓄電池の研究開発が各国で進められています。次世代蓄電池は、従来のリチウムイオン電池とは異なる材料系で構成されているため、その性質に応じて、適切な評価方法により安全性等の性能を評価する必要があります。

　また、電気自動車（EV）の世界的な普及とともに、使用を経て中古となった車載用蓄電池の活用が課題となっており、定置用蓄電池システム等への転用が模索されています。しかし、中古蓄電池の内部状態は新品時とは異なるため、再利用時の安全性に関する基準や評価方法の整備への期待が高まっています。

　こうした背景からJARIとNITEは包括的相互協力に関する協定を締結し、車載用蓄電池の知見を有するJARIと定置用蓄電池の知見を有するNITEとの間で、情報交換、試験・研究設備の相互利用等の協力・連携を行い、新たな蓄電池システムの評価方法の開発や標準化等を推進します。

　このような評価方法や基準が整備されることで、蓄電池システムの安全な運用が一層促進されるとともに、中古の車載用蓄電池の二次利用による、限りある資源の有効活用や循環型経済（サーキュラーエコノミー）の構築への貢献も期待されます。

　JARIとNITEは、この連携により、引き続き、国内の蓄電池産業を中心とする関連産業の更なる成長、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

• 報道資料はこちら（PDF）