JARI 一般財団法人 日本自動車研究所

【ITS通信システムアーキテクチャの規格化に関する調査研究】


アーキテクチャ108

重点サービス実現に向けた共通基盤整備の支援
-ITS情報通信基盤の規格化推進-
【ITS通信システムアーキテクチャの規格化に関する調査研究】

目的

ITS通信システムアーキテクチャの対象範囲
 次世代ITS通信システムにおいては、路車、車車間通信等のシステム間の相互接続・運用性の確保や統合のため標準的な仕組み(アーキテクチャ)が必要となる。本調査研究は、安全系アプリも含め路車、車車間通信全体を見通したITS通信システムアーキテクチャ(SA)を策定するとともに、その標準化を検討する。

実施内容

機能要素抽出・分析用ユースケース例
 平成18年度は、ITS通信SAの策定に関し様々な関係者の意見聴取を行なうと共に、日米欧における路車・車車間通信利用の安全系および効率と快適・利便系のアプリの動向調査と整理を行い、その結果を基に具体要素と制御・管理機能分析用の2種類計13のユースケースを設定、分析して、約100にのぼるITS通信SAの構成要素を抽出した。
 また、これら構成要素の定義を作成し、各要素をOSI参照モデルに割り付けてその構造を明らかし、要素間の関係を整理して、5つの大分類、ITS通信SAに特徴的な制御・管理機能を含む約25の中分類項目に分類されたITS通信SAを策定した。


得られた成果
 策定したITS通信SAは、優先制御、情報蓄積制御、情報鮮度、セキュリティ等の管理機能が連携して、通信やアプリの実行を制御している点に特徴がある。策定したITS通信SAとCALMアーキテクチャとの比較を行い、ITS通信SAの標準化対象や標準化方法に係る課題を整理した結果、上記管理機能の標準化が重要であるとの認識を得た。


活用状況
 平成19年度もISO/TC204/WG16で標準化検討が行われているCALMアーキテクチャを考慮しつつ検討を進め、日本において主に安全系のアプリに対応して開発が進められている非IP系の路車間通信、車車間通信も統合できるITS通信システムアーキテクチャの国際標準化提案を目指す。


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