予防安全アセスメント試験
自動車ユーザーが安全な自動車を選択できる環境をつくり安全な車の普及を図るため、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構により、自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)が行われています。
この自動車アセスメントでは、1995年実車衝突試験に基づく安全性能評価結果の公表をスタートし、 2014年から衝突被害軽減ブレーキに代表される予防安全装置のアセスメント評価が導入されています。
JARIでは、 JNCAPの開始当初より、独立行政法人自動車事故対策機構の委託を受け、試験機関として安全性能評価試験を実施しています。
予防安全装置のJNCAP試験実績
〇衝突被害軽減ブレーキ装置(AEBS)とは
カメラやレーダーなどで前方の対象物(自動車、歩行者、自転車)を検知して、衝突の可能性がある場合には、運転手に音や警告灯でブレーキ操作による衝突回避を促し、さらにブレーキ操作が無く衝突が避けられないとシステムが判断した場合に、衝突による被害を軽減するため自動的にブレーキが作動する装置です。
〇AEBS試験用ターゲット
AEBSに関する国連法規・保安基準の認証試験などにも利用されているISOに準拠した試験用ターゲットを使用しています。
車両ターゲット
歩行者ターゲット
自転車ターゲット
〇運転操作ロボット装置
衝突被害軽減ブレーキの評価試験を高精度で行うため、各種の試験用ターゲットとあわせて、試験車両には運転操作ロボット装置を搭載しています。
〇対車両(追突)試験
対車両追突試験では、ターゲットが静止状態(CCRs)とターゲットが走行状態(CCRm)との2種類の条件を評価します。試験車両をターゲットの後方から接近させ、自動的にブレーキが作動するか確認します。
CCRs試験
CCRm試験
写真出典元:独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)
〇対歩行者(昼間)試験
対歩行者昼間試験では、大人ダミーと子供ダミーの2種類を使用して評価をします。ターゲットを試験車両の走路左側から接近させ、自動的にブレーキが作動するか確認します。
大人ダミー使用時
子供ダミー使用時
写真出典元:独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)
〇対歩行者(夜間)試験
対歩行者夜間試験では、街灯あり/なしの2種類の条件を評価をします。ターゲットを試験車両走路右側から横断させ、自動的にブレーキが作動するか確認します。
街灯あり試験
街灯なし試験
写真出典元:独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)
〇対自転車試験
対自転車試験では、試験車両をターゲット後方から接近させる(CBL) 、ターゲットが試験車両走路右側から横断する(CBF) 、および左側の壁際から見通しの悪い状況で横断する(CBNO)の3種類の条件を評価します。
CBL試験
CBF試験
CBNO試験
写真出典元:独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)