トヨタ自動車と日野自動車のプロジェクトチームは、来年2005年の愛・地球博に、燃料電池バスを会場間のシャトル便として登場させる予定だ。 そのシミュレーションともいえる試乗会が、この6月に横浜で開かれた。 その模様とともに、水素・燃料電池バスの「今」をお伝えします。
そもそもなぜ、トヨタがバスを? | |
乗用車2台分のスタックを搭載 | |
愛・地球博で燃料電池車の“うれしさ”を広める |
そもそもなぜ、トヨタがバスを?
トヨタ自動車株式会社FC開発本部の加藤孝さん
横浜・みなとみらいを走るFCバス
デザイン・配色による乗客への心くばり
「では、冷房を切ってみましょう」。 トヨタ自動車株式会社FC開発本部の加藤孝さんがドライバーに合図を出すと、車内から音が消えた。 走行中の騒音は、すべてエアコンが発していた音だったのだ…。
6月27日からの4日間、世界53カ国から約1200人の研究者や関係者を集めて「第15回世界水素エネルギー会議」が、パシフィコ横浜で開かれた。 来場者を対象に、期間中、みなとみらいの風景の中を燃料電池バスの試乗が行われ、その車中でのこと。 15分ほどの走行中に加藤さんはじめスタッフが、このバスの説明をし、質問に答えた。
日本で燃料電池によるバスを製造しているのは、トヨタ自動車と日野自動車によるプロジェクトチームのみ。 なぜトヨタがバスの開発をしているのだろう?「同じグループ内にトラックやバス専門の日野という会社があったことがひとつ。もちろん公共交通機関としての路線バスに燃料電池を応用することにより都市部の大気改善と低騒音化に大きな効果が期待できることが一番の理由ですが、より多くの人に燃料電池の良さを体感していただき、水素という新しい燃料に親しみをもってもらうには公共機関のバスの方が良い面があるからです。バスは路線が決まっています。その地域にだけ水素ステーションなどのインフラを整備すればいいというメリットもあります。
乗用車2台分のスタックを搭載 |