FCV最前線第1回 国産の燃料電池バス、世界デビュー決定!
1 そもそもなぜ、トヨタがバスを?
2 乗用車2台分のスタックを搭載
3 愛・地球博で燃料電池車の“うれしさ”を広める

愛・地球博で燃料電池車の“うれしさ”を広める

期間中は各メーカーのFCVも展示

愛・地球博ではFCHV-BUS2の改良版がシャトルとして活躍の予定

誇らしげな愛・地球博のマーク

誇らしげな愛・地球博のマーク

「現在、実際に東京都内を運行しながら、さまざまなデータを取っています。 お客さんに一番評判がいいのは、音の静かさもありますが、ニオイがしないということでした。私たちは、みなさんにFCバスに乗車していただき、その“メリット”や“うれしさ”を知っていただくことがとても重要だと考えています。 また、どんなふうにFC自動車が社会に受け入れられていくのかも知りたい。いずれも直接お客さまの顔を見ることでしか、わからないことなのです」と加藤さん。

トヨタグループは、来年2005年に愛知県で開催される「愛・地球博」に、開催地の地元経済界の一員として参加の準備を進めている。 パビリオン『トヨタグループ館』では、『世界中の全ての人々がモビリティの恩恵を享受し、人と自然、地球が共生する社会』の方向性を提示する、と発表。

パビリオン以外にも燃料電池ハイブリッドバスを出展し、『水素エネルギーを活用する社会(水素社会)を提案する』。 具体的には、長久手・瀬戸会場間の来場者の移動用シャトルバスとして、合計8台程度のFCHV-BUS2の改良型を登場させる予定だ。

すでにヨーロッパでは、街を27台のFCバスが走っている。 実用面では一歩先をゆずっているが、「日本人は贅沢ですからね。 乗り心地はこちらのほうがずっといいんですよ」と自信たっぷりの加藤さん。 きっと日本のFCバスは、世界の人たちに水素エネルギーの実用化による“メリット”や“うれしさ”を存分に伝えることだろう。

■主要緒元

FCHV-BUS2外観(都営バス仕様)

FCHV-BUS2外観(都営バス仕様)

FCHV-BUS2構造

FCHV-BUS2構造

会社名 トヨタ自動車株式会社 日野自動車株式会社
車名 FCHV-BUS2
発表年月 2002年9月
全長×全副×全高 10515×2490×3360mm
乗車定員 60名
最高速度 80km/h
発動機種類 交流同期電動機
発動機最大出力 160kW(80kW×2)
発動機最大トルク 520N・m(260kg・m×2)
駆動方式 後輪駆動
燃料電池名称 トヨタFCスタック
燃料電池形式 固体高分子形
燃料電池最大出力 90kW×2
燃料種類 純水素
燃料貯蔵方式 高圧水素タンク(35MPa)
2次電池 ニッケル水素電池